薬剤師の将来性は実際
どうなの?有効求人倍率は?
今後転職で薬剤師としての
需要を高める方法も解説!

投稿日: 2023.10.25 | 最終更新日: 2024.02.13

薬剤師に将来性はある?ない?有効求人倍率は?今後転職した際に薬剤師として需要を高める方法を徹底解説!

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薬剤師におすすめの転職サイト3選

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求人数 約15,800件

参考記事:【厳選20社を比較!】薬剤師におすすめの2024年転職サイトランキング|口コミや選び方も紹介 はこちら

薬剤師の受験者数は2013年から1万人を超えており、薬剤師として働きたいと思っている方が多いのが現状です。

しかし、薬剤師になるには高卒から最短でも6年必要で時間がかかるため、将来性があるのか心配な方もいるのではないでしょうか。

また、現在薬剤師として働いている方はAI技術の進歩などにより「薬剤師の需要は今後もあるのか?」と気になっている方もいるでしょう。

今回の記事では薬剤師の将来性や薬剤師の需要を高める方法を紹介しているので、薬剤師として働きたい方は最後までご覧ください。

将来薬剤師の仕事がなくなる!?
薬剤師の有効求人倍率は?

将来薬剤師の仕事がなくなる!?薬剤師の有効求人倍率は?以前は、薬剤師は国家資格のため一生仕事は困らないと言われてきましたが、近年では「将来、薬剤師の需要は減少する」と囁かれています。

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)について参考統計表」では、仕事を探す方に対して求人数割合を示す有効求人倍率を掲載しており、有効求人倍率を確認すると、現在の需要が把握できます。

年度 有効求人倍率
2018年 5.35倍
2019年 4.55倍
2020年 3.41倍
2021年 2.04倍
2022年 2.03倍

上記の表を確認すると、年々有効求人倍率が低下しているため、求人数が減少していることが分かります。

求人倍率の数値が1を下回ると、求人数よりも仕事を求めている方が多いため、就職や転職の難易度が上がります。
現在の薬剤師の有効求人倍率は低下傾向ではありますが、1を下回っておらず地方では薬剤師不足も懸念されているので、すぐに需要がなくなることは考えにくいでしょう。

今後、薬剤師に将来性がないと
言われるのはなぜ?4つの理由を解説

今後、薬剤師に将来性がないと言われるのはなぜ?4つの理由を解説受験者数が1万前後を推移している中、なぜ薬剤師に将来性がないと言われるのでしょうか。

ここからは将来性がないと言われる4つの理由を紹介します。

IT化・AI技術の進化

近年AIICTの技術が進み、様々な企業でロボットの導入が増えていますが、薬局も例外ではありません。

薬局にロボットを導入すると、調剤過誤や処方の待ち時間も少なくなるため、患者の負担が軽減します。
患者の負担軽減だけでなく薬剤師の仕事の負担も減らせるため、AI技術を導入すると薬剤師の数が少なくても対応できる薬局が増えるでしょう。

AI技術やICT技術によって効率化できる業務は以下になります。

  • 事務作業
  • 受付業務
  • 調剤業務
  • 薬剤管理

調剤薬局では調剤業務が主な仕事ですが、AI技術は作業内容がある程度決まっている業務に向いているため、導入する薬局が増加しています。

また、調剤業務は最も正確性が求められる業務ですが、AIの画像認識システムを導入すると、処方通りのお薬が正しく入っているか確認できるため、薬剤師の負担が軽減し監査業務も効率良く進みます。
高齢化が進んでいる現代では医師や薬剤師の負担を減らすため、処方箋の電子化やオンライン診療も進んでおり、生産性の向上が求められるでしょう。

コロナ禍の影響もあり、オンライン診療に関しては導入している病院が増えており、従来予測されていたスピードよりも早く医療業界のIT化が進んでいます。

薬剤師の数が飽和状態になりつつある

薬剤師の数は年々増加傾向で、厚生労働省が発表した「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、薬剤師の数は令和2年の時点で321,982人おり、前回調査の平成30年と比較すると1693人増加しています。

現時点では仕事を求める方の求人の数はバランスが取れており、「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」が公表した資料によると2030年頃まではバランスが安定すると報告されています。

しかし、AI技術やICT技術の発展や薬剤師数の増加により、将来的には需要と供給のバランスが崩れることが懸念されているため、薬剤師の業務内容の見直しが課題です。

リフィル処方箋の普及

リフィル処方箋の普及リフィル処方箋は指定された期間であれば、医療機関へ受診することなく薬を処方してもらえる処方箋です。

診療報酬改定により2022年度から導入が正式決定されました。
リフィル処方箋が普及すると、医師や薬剤師の業務が減るイメージがありますが、実際には薬剤師の負担が増加するのではと言われています。

負担が増加する理由としては「受診回数の増加」「患者の経過観察」などが挙げられます。
リフィル処方箋を導入すると、薬を小分けに購入する方が増え、対応に追われる可能性が考えられるでしょう。

また、医師の診察を受けない期間があるため、小さな体調の変化も細かく察知する必要があります。
このようにリフィル処方箋が普及すると、薬剤師の高いスキルや判断力がより求められるようになることが考えられます。

薬剤師の業務を代替する職種の拡大

薬剤師の業務を代替する職種として「登録販売者」や「ファーマシーテクニシャン」が挙げられます。

登録販売者は第一医薬品の販売はできませんが、一般医薬品の販売は可能なため、ドラッグストアによっては薬剤師を在中させていない場所もあります。

需要の増加と比例し、コロナ禍に入る前までの2019年までは登録販売者受験者数も増加していました。

年度 有効求人倍率
2016年 53,369人
2017年 61,126人
2018年 65,500人
2019年 65,288人
2020年 52,959人
2021年 61,070人
2022年 55,606人

2021年には医薬品を販売する店舗に対して「営業時間の半分以上の時間、薬剤師か登録販売者を配置する」という決まりが撤廃されたため、コスパの高い薬剤師よりも登録販売者を雇う企業が増える可能性があります。

また、現在の日本ではファーマシーテクニシャン制度の導入は認められていませんが、今後は導入も検討されています。
ファーマシーテクニシャン制度が導入されれば薬剤師の調剤業務が軽減され、監督する立場になるので、調剤薬局に配置される薬剤師の数が減少する可能性が考えられるでしょう。

薬剤師の需要はすぐにはなくならない

薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会薬剤師の需要はすぐにはなくならないによると2030年までは需要と供給のバランスが取れるとの報告があるため、すぐに需要がなくなることはないでしょう。

また、高齢化社会が進んでいるため医療の需要は増加しています。

医療全体の需要は増加している

高齢化社会が進んでいる日本では、医療の需要は増加傾向です。

厚生労働省の「医療と介護を取り巻く現状と課題等」によると、2060年には総人口が9,000万人を下回り、総人口の40%近くが高齢になると発表されました。
また、1947年〜1949年の戦後第一ベビーブームと呼ばれる団塊世代が75歳を迎える2025年には「超高齢化社会」に突入すると言われています。

健康寿命の令和元年値について」を参考にすると、日常生活を支障なく過ごせる方の健康寿命は女性が75.38歳、男性は72.68歳のため、75歳が近づくと医療や介護の需要が増加するでしょう。

薬剤師はお薬に関するエキスパートのため、今後も医療の中心として重宝され、継続した需要が期待されます。

国家資格である

医師や薬剤師などの国家資格は国が必要性を保証しており、医療系の養成には国費の一部が使用されています。

資格の取得者の数は医療計画に基づいているため、需要がなくなる心配は少ないでしょう

AI技術やICT技術の導入により業務内容に大きな変化が見られる可能性はありますが、患者とコミュニケーションを取りながら体調変化に気付く必要もあるため、薬剤師の需要は高いでしょう。

薬剤師会や医師会の存在

技術の進歩により薬局の数などが減少する可能性はありますが、医療系の業種は命に関わるため、大きな競争は起きにくい特徴があります。

また、医師会や薬剤師会が国に働きかけ、資格保持者が安心して働けるように後押しをしてくれます。

職場別 | 薬剤師の将来性

ここからは職場別の薬剤師の将来性を紹介します。

職場により将来性が変わってくるため、今後も薬剤師として働きたい方は参考にしてください。

ドラッグストア

ドラッグストアドラッグストアは需要が高まっており、2020年には72,000億円の売上高を記録し、店舗数は22,000店舗を突破しています。

ドラッグストア業界は店舗数の増加や、ドラッグストアア内に薬局を併設する場所も増え、薬剤師の需要は高まっているため、ドラッグストアで働く薬剤師の増加が見込まれます。

コロナウイルスの影響もあり、予防意識が高まっているためドラッグストアの利用者も増えると予想されており、ドラッグストアで勤務する薬剤師は調剤知識だけでなく、一般薬の知識など幅広い知識が必要です。

調剤薬局

調剤薬局はAI技術の導入などにより、今後は縮小傾向になると考えられています。

AI技術が導入されると、薬剤師が担当する調剤業務の負担は軽減されます。

また、調剤薬局に勤める薬剤師は2016年から2020年にかけて約1.6万人も増加しているため飽和状態に近づいており、今後は少しずつ求人の減少が見込まれるでしょう。

病院

病院病院で働く薬剤師は高齢化社会が進む現代で、需要が増加すると見込まれます。

厚生労働省が行った「薬剤師偏在指標」によると、現在でも病院薬剤師は足りておらず、将来的にも人手不足が懸念されています。

都道府県 現時点の病院薬剤師 将来的な病院薬剤師
北海道 0.86 0.89
青森 0.55 0.62
岩手 0.65 0.73
宮城 0.76 0.76
秋田 0.56 0.66
山形 0.60 0.69
福島 0.65 0.70
茨城 0.67 0.68
栃木 0.69 0.72
群馬 0.74 0.77
埼玉 0.76 0.73
千葉 0.79 0.76
東京 0.94 0.92
神奈川 0.80 0.77
新潟 0.67 0.74
富山 0.75 0.82
石川 0.87 0.91
福井 0.76 0.82
山梨 0.72 0.77
長野 0.73 0.80
岐阜 0.69 0.75
静岡 0.66 0.69
愛知 0.76 0.74
三重 0.63 0.68
滋賀 0.81 0.80
京都 0.95 0.97
大阪 0.92 0.95
兵庫 0.89 0.91
奈良 0.86 0.91
和歌山 0.80 0.94
鳥取 0.73 0.80
島根 0.70 0.81
岡山 0.85 0.91
広島 0.81 0.85
山口 0.77 0.88
徳島 0.94 1.07
香川 0.78 0.85
愛媛 0.74 0.82
高知 0.82 0.96
福岡 0.93 0.93
佐賀 0.69 0.75
長崎 0.75 0.84
熊本 0.85 0.93
大分 0.73 0.80
宮城 0.65 0.72
鹿児島 0.74 0.84
沖縄 0.91 0.85

目標とする偏在指標は1.0ですが、全国の病院薬剤師の偏在指標は0.80で、将来も目標を下回ると推測されています。
また、病院薬剤師は最先端の医療に関わることができます。

薬剤師には「感染症専門薬剤師」「がん専門薬剤師」「認定薬剤師」など専門的な資格があり、病院に勤務することで様々な経験が積め、資格取得に向けて役立つでしょう。

2012年には「病棟薬剤業務実施加算」ができ、病棟で行う服薬指導業務などがあるため、今後も病院薬剤師の活躍は期待されます。

製薬会社

製薬会社製薬会社での薬剤師の需要は減少しています。

年度 勤務人数
2016年 42,024人
2018年 41,303人
2020年 39,044人

厚生労働省の2016年~2020年の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、2016年は42,024人の勤務人数がいましたが、2020年には39,044人と4年間で2,980人減少しています。

またMRとして勤務する薬剤師の減少が目立ち、2016年では63,185人だったのに対して2020年は53,586人と4年で9,599人減少しています。

減少の理由として考えられるのが、後発医薬品のシェア拡大です。
政府は2020年までにジェネリック医薬品の使用割合を80%にすることを目標に設定し、厚生労働省が発表した「保険者別の後発医薬品の使用割合」によると、令和4年の使用割合は79.94%とジェネリック医薬品のシェアが拡大しています。

現在は給料が高く人気の製薬会社ですが、ジェネリック医薬品が広まると新薬の開発の必要性が減少するため、将来性に関してはリスクがあることが考えられます。

男女別|薬剤師の将来性

男女別|薬剤師の将来性薬剤師の需要は、今後いくつかの職場で性別関係なく減少していくことが予想されます。

製薬会社への勤務が多い男性薬剤師の場合、今後製薬会社での薬剤師の需要が低下する可能性があるため、将来性は乏しいでしょう。

年齢階級・性別にみた薬剤師数」によると、男性薬剤師と女性薬剤師の割合は3対7です。

女性が活躍する職種である一方で、管理職などは男性薬剤師に任せる場合が多いため、AI技術の導入などが進むと、女性薬剤師が活躍する場が減少すると予想されます。

地方での薬剤師の需要は高い

将来的に見ると薬剤師の需要は減少している職場もありますが、地方では現在も薬剤師の需要は高い状況が続いています。

都道府県(従業地)別にみた人口10万対薬剤師数」を確認すると、東京・神奈川・大阪・兵庫・広島などは全国平均の136.4人を超えていますが、山形・福井・熊本などの地方は平均を下回っています。

高齢化社会が進む中で、地方の薬剤師の需要は今後も高くなるため、一概に薬剤師の需要が低下するとは言い切れません。

地方別の薬剤師の年収

地方では薬剤師不足が叫ばれており薬剤師を確保するため、都心で働くよりも年収が高く設定されています。
求人ボックスによると、薬剤師の年収や地方での給与は以下の通りです。

年収 時給(アルバイト) 時給(派遣)
北海道・東北 507万円 1,970円 2,853円
甲信越・北陸 518万円 1,997円 2,702円
関東 492万円 1,934円 2,349円
東海 526万円 1,988円 2,891円
関西 491万円 1,912円 2,895円
中国 510万円 1,974円 2,800円
四国 501万円 1,899円
九州・沖縄 519万円 1,996円 2,873円

地方での薬剤師の求人は待遇が良い案件が多いのも特徴です。

薬剤師として長く働きたい方は、地方での就職も検討してみるのも良いでしょう。

薬剤師の環境の変化

薬剤師の環境の変化薬剤師になるための教育環境や働く環境は年々変化しています。

調剤報酬改定や制度の変化は薬剤師として働く場合、柔軟に対応する必要があります。

6年制薬学教育施行

薬剤師になるには2006年からの制度変更により、教育期間が4年だったものが6年必要になりました。

教育課程の延長により、5年目には病院と薬局で6ヶ月以上の実務実習が必須となり、卒業後に即戦力として働ける薬剤師を育てる方針になりました。
また、実務研修を実施すると、業務内容をある程度把握できるため、就業後のミスマッチを防げるメリットもあります。

医療の進歩により、多くの知識や技術が必要になり、高いコミュニケーション能力も必須ですが、教育時間を増やすことで質の高い薬剤師が毎年誕生しています。

女性薬剤師の活躍

女性薬剤師は全体の7割を占めており、他の職種と比べると女性が活躍しやすい職場です。

近年はワークバランスが重要視されるため女性の社会進出に伴って働き方も変わっています。
子育てや介護などワークバランスの変化が大きい女性に寄り添い、時短勤務が可能になっていたり、保育施設を提供したりなど、薬剤師が働く職場環境は整備されつつあります。

また、職場環境が整うことで人材不足が解消されるといったメリットもあるため企業にとっても好ましい状況です。

登録販売者の需要

登録販売者は薬剤師の業務をサポートしてくれるありがたい存在です。

1類医薬品の販売はできませんが、一般用医薬品の取り扱いは可能なため、登録販売者がいる職場では薬剤師の負担が減り、専門的な業務に集中できます。

登録販売者の数は年々増えており、1/2ルールの撤廃も大きく関わっているため、薬剤師の需要が減少することも考えられますが、雑務を行う必要がなくなり薬剤師本来の業務に携わることができるでしょう。

ファーマシーテクニシャンの導入検討

錠剤のピッキングや事務的な作業などは専門的な知識がなくても行える業務ですが、ファーマシーテクニシャン制度を導入すると、ピッキング作業などを支援してもらえます。

欧米では一般的に取り入れられているファーマシーテクニシャン制度ですが、現在の日本では導入されていません。

しかし、薬剤師が患者と向き合う時間を多く確保するために導入が検討されており、2019年の4月に厚生労働省が発表した「調剤業務のあり方について」では最終的に薬剤師が管理するという条件付きで、薬局事務員のピッキングの一部を認めるという内容が明記されています。

ファーマシーテクニシャンが導入されると薬剤師の負担は減り、「監査業務」「投薬業務」「在宅訪問」などに力を入れることができるでしょう。

薬剤師として需要を高める5つの方法

薬剤師として需要を高める5つの方法薬剤師の需要減少が囁かれる中、薬剤師としての需要を高める方法があります。

将来性のある薬剤師になるために5つのポイントを押さえておきましょう。

在宅医療のスキルを高める

在宅医療のスキルを高める高齢化が進む現代において、今後は在宅医療の需要が求められると想定されています。

医療の中心として活躍する薬剤師も、在宅医療のスキルが必要になるでしょう。
在宅医療において薬剤師が果たす役割は、自分でお薬を取りに来るのが困難な方へのサポートです。

薬剤師が患者の自宅に薬を届けることで、本人や家族への負担を減らせるだけでなく、お薬の紛失リスクも防げます。また 健康状態が良くない患者や認知機能の衰えがある高齢者に対し、適切に服薬指導を行うために、伝え方への配慮や工夫が重要となります。

かかりつけ薬剤師を目指す

かかりつけ薬剤師制度は2016年にスタートし、徐々に ニーズは高まってきていますが、かかりつけ薬剤師になるには経験が重要です。

公益社団法人日本薬剤師会では「十分な経験のある薬剤師」の条件として以下を定めています。

  • 医療に関する地域活動に参加している
  • 研修認定薬剤師などの知識が十分と認められている
  • 薬局に薬剤師として3年以上働いている
  • その薬局で勤務時間が週32時間以上で、1年以上在籍している

かかりつけ薬剤師は薬局の営業時間外に対応を行ったり在宅医療のサポートを行ったりするため、患者にとって信頼性の高い重要なポジションです。

管理薬剤師を目指す

管理薬剤師を目指す管理薬剤師は一般の薬剤師とは違い、法律によって設置が義務付けられている薬局店舗の責任者であり、職場によっては薬局長とも呼ばれます。

薬剤師の一般業務である調剤や服薬指導、販売業務も行いますが、「管理業務」「適正な使用のための情報提供業務」「 薬局開設者への意見申述の義務」などが主な業務です。
管理薬剤師は現場をまとめるリーダーの役割が求められ、時には責任者としてクレーム処理を引き受ける場合もあります。

管理薬剤師になると医薬品に関する幅広い知識や商品の管理方法、薬局の経営などについても学べるため、大きなキャリアアップに繋がります。

管理薬剤師の業務とは?
一般の薬剤師との仕事内容や
年収の違いを解説!

英語スキルを高める

日本に暮らす外国人の増加により、薬剤師にも英語スキルが求められています。

薬局勤務の場合、患者や顧客の対応をする際に英語の必要性を感じている薬剤師が多数います。リーディングとヒアリング能力、高いコミュニケーション能力が必要です。
都心だけでなく、全国各地で語学が堪能な薬剤師が不足しており、英語だけでなく中国語やなどが話せる薬剤師は今後重宝されるため、今から外国語を習得すると良いでしょう。また、新薬の情報は医学雑誌やWEBサイトでは英文で発表されるケースが多いため、英語を学んでいるといち早く新薬の情報を確認できます。

薬剤師が英語を学ぶメリットは?
英語力が活かせる1Oの転職先と
おすすめの勉強方法や
資格を解説!

専門資格を取得する

薬剤師には複数の専門資格があり「認定薬剤師」と「専門薬剤師」2種類に分けられます。

専門性を高めると市場価値がアップし、自分の自信にも繋がります。

認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得していると、今後も安定して働きやすい中規模から大規模の病院で評価されやすいため、積極的に取得することをおすすめします。
認定薬剤師は一般社団法人日本病院薬剤師会の認定試験に合格する必要があり、専門薬剤師は認定薬剤師に合格後、さらに特定の専門分野での実務経験が必要です。

薬剤師として、市場価値が高まる認定薬剤師資格と専門薬剤師資格をいくつか紹介します。

【認定薬剤師】研修認定薬剤師

日本薬剤師研究センターが設けている資格が、研修認定薬剤師です。

研修認定薬剤師は、薬剤師としての信頼や実績を証明できる資格です。
かかりつけ医になるためにも必要な資格なので、調剤薬剤で重宝されます。

新規で資格を取得するには40単位が必要で、対象の研修は以下になります

  • 集合研修
  • 学術集会
  • e-ラーニング研修
  • ウェブ利用研修
  • 自己研修
  • 学術集会等発表
  • 学術雑誌論文掲載

申請日から遡って4年以内に単位を取得し、単位数が足りなければ初めから取得し直しになるため、計画的に進めましょう。

研修参加前にはPECS(薬剤師研修・認定電子システム)にて個人情報の登録を行い、単位が全てPECSに反映されてから申請を行う必要があります。

資格取得後も更新が必要で、3年の認定期間に30単位以上かつ各年5単位以上取得することが条件で、1単位でも足りないと新規申請し直す必要があるので注意しましょう。

【認定薬剤師】がん治療認定薬剤師

がんは1981年から日本人の死因トップになっている疾患で、在宅医療が進む中、専門的な知識が重要視されていきます。

がん治療認定薬剤師として求められるのは、がん治療における助言や提案です。

また、副作用に対する対応策や薬物療法の説明を患者に行い、精神的なサポートも担う必要性もあります。

がん治療認定薬剤師になるには以下の10の条件があります。

  • 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた見識を備えている
  • 実務経験を3年以上有し、日本病院薬剤師会もしくは日本薬剤師会、日本女性薬剤師会の会員である
  • 定められた学会のいずれかの会員である
  • 日病薬病院薬学認定薬剤師または、日本医療薬学会の専門薬剤師制度により認定された専門薬剤師である
  • 申請時に病院または診療所に勤務し、がん薬物療法に3年以上(申請時に引き続いて1年以上)従事している
  • 日本病院薬剤師会が認定する研修施設で、日本病院薬剤師会の実施要綱・コアカリキュラムに基づく実技研修を履修している、もしくは研修施設において3年以上、がん薬物療法に従事している(所属長の証明が必要)
  • 日本病院薬剤師会が認定するがん領域の講習会、及び規定の学会が主催するがん領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位以上)履修している
  • がん患者への薬剤管理指導の実績50症例以上を満たしている
  • 病院長あるいは施設長等の推薦がある
  • 日本病院薬剤師会が行うがん薬物療法認定薬剤師認定試験に合格している

以下の9つの学会にて資格取得可能です。

  • 日本医療薬学会
  • 日本癌治療学会
  • 日本薬学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本臨床薬理学会
  • 日本緩和医療学会
  • 日本癌学会
  • 日本緩和医療薬学会
  • 日本臨床腫瘍薬学会

調剤薬剤で働きたい方はがん治療認定薬剤師の資格を取得しても活用しづらいですが、一般病院やがん専門の病院では活躍できるため、トライしてみるのもおすすめです。

【認定薬剤師】プライマリ・ケア認定薬剤師

プライマリ・ケア認定薬剤師は、様々な観点から患者に対して必要な対策を講じ、患者に寄り添い、担当医師や看護師と連携する役割を担います。

治療に専念する患者にとって一番身近な存在であり、相談相手です。
資格を取得するには研修開始届を提出してから4年以内に指定された研修会や講座を受講し、50単位を取得する必要があります。

必要な単位を取得した後、試験や審査をクリアすると資格が取得できます。
単位の取得には以下条件があります。

  • 学会関連の講座で30単位以上
  • 細則にある必須領域で20単位
  • 見学実習が8単位

【専門薬剤師】がん専門薬剤師

一般社団法人日本医療薬学会によって認定されているのが、がん専門薬剤師です。

臨床の現場において、薬物の専門家として携わります。
主な仕事内容は薬学管理や指導で、薬剤の種類や量を記載した計画書を作成したり、副作用に対する解決策を提案したりします。

がん専門薬剤師になるには11個の条件を満たす必要があります。

  • 日本国の薬剤師免許を持ち、薬剤師として優れた人格と見識を備えている
  • 実務経験が5年以上ある
  • 一般社団法人日本医療薬学会の会員である
  • 「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」「日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師」「日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」のいずれかの認定を受けている
  • がん専門薬剤師研修施設」において、本学会の定めた研修ガイドラインに従って、がん薬物療法に関する5年以上の研修歴を有する
  • 本学会が認定するがん領域の講習会を5年で50単位以上履修している
  • がん専門薬剤師集中教育講座に1回以上参加する
  • 本学会の年会に1回以上参加する
  • 自ら実施した5年のがん患者への薬学的介入を伴った症例報告50症例(3領域以上のがん種)を提出する
  • 研究活動のうち、発表あるいは論文の条件のどちらか一方を満たす
  • 学会が実施するがん専門薬剤師認定試験に合格する

条件を満たした後、一般社団法人日本医療薬学会へ申請して資格を取得します。

【専門薬剤師】感染制御専門薬剤師

感染の制御に関する知識や技術を活かし、患者に対する感染治療を支援し、院内の感染対策に関する評価や情報提供を行います。
また、地域施設などと連携し、情報のネットワークを構築する役割もあります。

主な仕事内容は、感染症や合併症のリスクが高い患者への抗生物質の投与や副作用の管理、消毒薬や抗生物質の取扱説明書の作成などです。

資格取得には下記の要件を全て満たす必要があります。

  • 申請時に、感染制御認定薬剤師あるいはICD制度協議会が認定するインフICDの資格を有している者であり、ICD制度協議会に加盟している学会・研究会のいずれかの会員である
  • 「日本医療薬学会」「日本薬学会」「日本臨床薬理学会」「日本TDM学会」「ICD制度協議会」に加盟している学会・研究会、日本薬剤師会学術大会、関連する国際学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において感染制御領域に関する学会発表が2回以上(うち、回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的な学会誌・学術雑誌に感染制御領域に関する学術論文が1編以上(少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満たしている
  • 病院長あるいは施設長等の推薦がある
  • 日本病院薬剤師会が行う感染制御専門薬剤師認定試験に合格している

肝不全や腎不全など、合併症や感染症のリスクが高い患者への対応が中心になる資格です。

【専門薬剤師】精神科専門薬剤師

一般社団法人日本病院薬剤師会によって認定されている資格で、事前に精神科薬物療法認定薬剤師の認定を受ける必要があります。

精神疾患の患者とコミュニケーションを築きながら、薬物治療についての話し合いを行い、社会復帰へのサポートをしていきます。
また、それぞれに適した薬物療法や副作用について、患者だけでなく医師にも提案する必要がある立場です。

精神科専門薬剤師になるには4つの条件があります。

  • 申請時において精神科薬物療法認定薬剤師であり「日本精神神経学会」「日本神経精神薬理学会」「日本臨床精神神経薬理学会」「日本生物学的精神医学会」「日本病院・地域精神医学会」「日本社会精神医学会」「日本老年精神医学会」「日本精神科救急学会」「日本認知症学会」「日本精神薬学会」のいずれかの会員である
  • 「日本医療薬学会」「日本薬学会」「日本薬剤師会学術大会」「上記精神科領域の学会」「関連する国際学会」全国レベルの学会あるいは日本病院薬剤師会ブロック学術大会において、精神科領域に関する学会発表が2回以上(少なくとも1回は発表者)、複数査読制のある国際的あるいは全国的学会誌・学術雑誌に精神科領域の学術論文が1編以上(少なくとも1編は筆頭著者)の全てを満たしている
  • 病院長あるいは施設長等の推薦がある
  • 日本病院薬剤師会が行う精神科専門薬剤師認定試験に合格している

資格は更新期間があり、更新するためには論文発表などが必要なため、精神疾患や薬物療法における研究も仕事内容の一つです。

キャリアアップを目指して
転職も視野に入れる

キャリアアップを目指して転職も視野に入れる今後も薬剤師として働く場合、転職も視野に入れてみましょう。

自分のキャリアを見据えた上での転職はデメリットになりにくく、まずは資格取得を目標にしてみるのも良いでしょう。

将来的には製薬会社などで薬剤師の需要は減少するとされていますが、様々な経験が積めるため、研究開発や治験コーディネーターなどへの転職も可能です。

薬剤師の将来性に関する
よくある質問

薬剤師の将来性に関するよくある質問を紹介します。

将来なくなる可能性の高い薬剤師の業務はある?

将来的になくなる可能性がある業務は以下が考えられます。

  • お薬の用意
  • 在庫の管理
  • 散薬軽量や錠剤取り揃え
  • 調剤済み薬剤のチェック

AI技術やファーマシーテクニシャン制度が導入されると、お薬の用意など薬剤師の免許が必要ない業務はなくなる可能性が高いでしょう。

しかし、薬剤師にしかできない「対人業務」「患者の健康管理や服薬管理」「調剤薬の確認」などもあるため、薬剤師の仕事が全てなくなることは考えにくいでしょう。

薬剤師以外のキャリアも考えるべき?

薬剤師の需要は今後もあるため、薬剤師として働きたいのであれば無理にキャリアを変更する必要はありません。

しかし、今後は調剤業務がメインの業務よりも専門性が求められるケースが増えるため、積極的に資格取得やスキルアップを行う必要があるでしょう。

まとめ

薬剤師の需要は将来的に減少傾向にありますが、全く仕事がなくなることはないでしょう。

高齢化社会が進むため、医療関係の仕事は安定しており、特に病院に勤める薬剤師は今後も需要が高まることが予想されます。

薬剤師として活躍し続けるためには「認定薬剤師」や「専門薬剤師」の資格保持者が有利になるため、資格取得などのスキルアップとなることにも積極的にトライしていきましょう。

薬剤師におすすめの転職サイト3選

ファルマスタッフ
https://www.38-8931.com/

  • 全国に12拠点を展開し、一人ひとりと向き合う個別相談を実施
  • グループ企業「日本調剤株式会社」の教育ノウハウを活かした支援
  • 派遣スタッフ向けのサポートが充実
求人数 約45,600件

ファーマキャリア
https://pharmacareer.jp/

  • 薬剤師の希望に合わせてオーダーメイド求人を提案
  • 大手人材派遣会社から引き抜いた優秀なコンサルタントが在籍
  • 担当コンサルタントが薬剤師の数を限定
求人数 約21,000件

お仕事ラボ
https://www.oshigoto-lab.com/

  • 転職後の定着率が高水準の95.6
  • 求人が見つからない場合は職場に逆指名して交渉
  • 運営会社の代表自身が薬剤師としてのキャリアがある
求人数 約15,800件

参考記事:【厳選20社を比較!】薬剤師におすすめの2024年転職サイトランキング|口コミや選び方も紹介 はこちら

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