ヘルパーがやってはいけない事とは?
介護職が気をつけるべきポイント
について解説!

公開日: | 最終更新日:

ヘルパーがやってはいけない事とは?介護職が気をつけるべきポイントについて解説!

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介護の現場では、利用者の命や生活を支える責任のある仕事を担っています。だからこそ、ヘルパーが「やってはいけないこと」を明確に理解し、実践に活かすことが大切です。
知らず知らずのうちに信頼を損なったり、法的な問題に発展してしまうこともあります。特に新人ヘルパーや現場での経験が浅い方は注意が必要です。
この記事では、ヘルパーとして絶対にやってはいけない行為や、介護職として気をつけるべきポイントを具体的に解説します。現場で役立つチェックリストやよくある質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ヘルパーとして絶対にやってはいけない事とは?

ヘルパーとして絶対にやってはいけない事とは?介護職として働くヘルパーが、絶対にしてはならない禁止行為について具体的に解説します。これらの行為は、倫理や法律に違反し、介護の信頼を損ねる重大な問題です。

身体拘束を行うこと

身体拘束とは、利用者の自由を奪い、意図的に動きを制限することです。例えば、ベッドに縛りつける、車椅子から立ち上がらせないようにするなどが該当します。
たとえ安全のためであっても、家族や医師の同意がないまま行うのは虐待行為に該当します。法律でも、原則として身体拘束は禁止されています。
どうしても必要な場合は「身体拘束廃止未実施減算」などの制度のもと、理由書や記録を残す義務があります。
利用者の尊厳を守るためにも、身体拘束は最終手段であり、極力避けるべき対応です。

利用者のプライバシーを侵害すること

プライバシーの侵害とは、利用者の生活空間や身体、情報に対して無断で干渉する行為を指します。例えば、許可なくカーテンを開ける、服を脱がせる、個人情報を他人に話すなどが該当します。
利用者は介護を受ける立場であっても、ひとりの人間としての尊厳が守られるべきです。
介護を提供する側には「個人情報保護法」や「介護職の倫理綱領」に基づいた行動が求められます。
ちょっとした言動がプライバシー侵害と受け取られることもあるため、常に丁寧な対応を心がけましょう。

金銭を無断で管理・使用すること

介護現場では、利用者の財布や通帳などの金銭的な管理を任されることもありますが、無断で管理したり、私的に使用することは絶対にNGです。
たとえ一時的であっても、金銭の扱いは非常に慎重になるべきです。不正使用は「横領」とみなされ、刑事事件に発展する可能性もあります。
どうしても金銭の受け渡しが必要な場合は、記録を残す、他の職員に立ち会ってもらうなどの対策が必要です。
信頼関係を築くうえで、金銭に関するトラブルは最も致命的であることを忘れてはいけません。

無資格・無届で医療行為を行うこと

介護職は医療職ではないため、医療行為を行うことは法律で禁じられています。たとえば、注射や投薬、傷の縫合などが医療行為に該当します。
介護現場でよくあるのが「ついでにやってあげた」「頼まれたから」という理由で行うケースですが、これは医師法違反に当たる可能性があります。
たとえ善意であっても、無資格で医療行為をすることは重大なリスクを伴います。
グレーゾーンに感じる場合は、必ず上司や医療職と相談して対応しましょう。

訪問介護で例外的に認められる医療的ケア

すべての医療行為が完全に禁止されているわけではありません。一定の条件を満たせば、例外的に対応が認められている行為も存在します。その代表例が「喀痰吸引(たんの吸引)」と「経管栄養」です。
これらの行為は本来、医療行為として医療従事者に限定されていましたが、厚生労働省が定める「特定の研修」を修了した介護職員であれば、条件付きで実施することができます。この研修を修了した者は「認定特定行為従事者」と呼ばれ、事業所が定めた手順に従って、医師の指示のもとに対応することが許されています。
ただし、これらの行為であっても、研修を受けていないヘルパーが行うことは厳禁です。喀痰吸引や経管栄養は、誤った操作により命に関わる可能性があるため、資格と実務訓練が非常に重要とされています。
また、バイタルチェック(体温、血圧、パルスオキシメーターによる数値確認)については、あくまで電子機器で測定するだけであれば対応可能です。薬に関しても、一包化された薬を利用者に手渡す、服薬の声かけをする程度であれば「医療行為」に当たらないとされています。
このように、条件や範囲をしっかり理解し、自身が行える範囲とそうでない範囲を明確に把握することが、訪問介護ヘルパーとして安全に業務を行うための基本です。

暴言や無視など精神的虐待をすること

介護現場では、身体的虐待だけでなく、精神的虐待も問題視されています。怒鳴る、無視をする、人格を否定するような発言をするなどがこれにあたります。
こうした行為は、利用者の心に大きな傷を残し、精神的に追い詰める原因となります。
イライラしてつい口調が強くなることがあるかもしれませんが、プロとしての意識を持ち、感情をコントロールすることが求められます。
特に認知症の利用者に対しては、丁寧な声かけと理解のある対応が重要です。

生活援助でヘルパーがやってはいけないこと

生活援助でヘルパーがやってはいけないこと生活援助は、日常の家事を通じて利用者の暮らしを支える重要なサービスですが、対象となる範囲はあらかじめ厳しく定められています。誤解されやすい禁止行為を中心に、業務の境界線を明確に理解しておきましょう。

利用者以外へのサービス提供

訪問介護における生活援助は、あくまで「利用者本人の日常生活を支えるための行為」に限られています。ここで注意が必要なのは、家族や同居人など、利用者以外を対象とした支援は原則として行えないということです。
たとえば、利用者の息子や娘の部屋を掃除する、同居する家族のために食事を作る、洗濯物を一緒に回すといった行為は、すべて制度上禁止されています。これは介護保険が「要介護認定を受けた本人の支援のため」に使われるものであり、それ以外の人にサービスを提供することは不適切とされているからです。
よくある勘違いとして「どうせ一緒だから家族の分も一緒にやっていいのでは?」という考えがあります。しかし、それを許してしまうと、制度の枠を超えたサービスとなり、結果的に事業所やヘルパーが責任を問われることになります。
現場で求められるのは、「これは利用者本人のための支援か?」という視点で一つひとつの行為を確認する姿勢です。不明な点があれば、すぐにケアマネジャーに相談するようにしましょう。

特別調理やペットの世話

生活援助においても、やってはいけない行為はいくつも存在します。その中でも特に注意が必要なのが、「特別な調理」や「ペットの世話」といった、日常的な家事の範囲を超える依頼です。
たとえば、年末年始のおせち料理、誕生日用の豪華なメニュー、複数品目を時間をかけて丁寧に作る調理などは、制度上「生活援助の範囲を超える行為」として認められていません。日常の食事作りであれば問題ありませんが、イベントや嗜好品を目的とした調理は対象外となります。
また、ペットの散歩や餌やり、トイレの掃除なども禁止されています。動物の世話は利用者本人の生活とは直接関係がないと判断されるため、介護保険の対象とはなりません。同様に、車や車いすの清掃・点検なども基本的には認められていません。
一見して「少しぐらいやっても問題ないのでは」と思える内容であっても、それが常態化すれば制度の運用を大きく逸脱する可能性があります。サービス提供中は常に「これは日常生活の範囲内か?」を自問しながら対応する必要があります。

法律・制度に基づく生活援助の範囲

生活援助は法律や制度によって、細かく提供できる内容が定められています。その範囲を理解していないと、つい善意でサービスを提供しすぎてしまい、後でトラブルになることも少なくありません。

以下のように、「できること」と「できないこと」は明確に区別されています。

区分 できること(生活援助の範囲内) やってはいけないこと(制度外)
掃除 利用者が使用する部屋の掃除 家族の部屋、庭、物置などの掃除
洗濯 利用者本人の衣類洗濯 家族の衣類、布団などの大物洗濯
調理 日常的な食事の準備 特別な料理、大掛かりな調理
買い物 食料品や日用品の購入 贅沢品、来客用の品、お歳暮など
その他 利用者の服薬管理、簡単な整理整頓 ペットの世話、金銭管理、公文書の手続き代行

こうした区別を事前に理解しておくことで、利用者との信頼関係を保ちながら、法令にも準拠したサービス提供が可能になります。
ヘルパーが一人で判断しきれない場合は、ケアマネジャーや事業所に相談することが推奨されます。 「断って良いのか」と迷うような場面でも、制度を守る姿勢こそが専門職としての信頼につながります。

介護職としてヘルパーが気をつけるべきポイントとは?

介護職としてヘルパーが気をつけるべきポイントとは?ヘルパーとして働くうえで、日々の行動や態度には細心の注意が求められます。介護職には、専門性だけでなく人間性やチームワークも重要な要素となるからです。

利用者の意思を尊重することが大切だから

介護は一方的なサービスではなく、利用者との信頼関係に基づく共同作業です。だからこそ、利用者の希望や意向を尊重する姿勢が求められます。
たとえば、「今日はご飯を食べたくない」と言われた場合、無理に食べさせるのではなく、理由を聞いて対応することが大切です。
本人の意思が伝えづらい場合でも、表情やしぐさなどから意向をくみ取るよう努力しましょう。
利用者の自己決定を支援することが、より良い介護に繋がります。

報告・連絡・相談を怠らないようにするべきだから

介護現場ではチームでの連携が欠かせません。小さな異変や出来事でも、必ず他の職員と情報を共有する必要があります。
「報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)」は、業務を円滑にし、事故やミスを未然に防ぐための基本です。
たとえば、転倒や食事の拒否といった小さな変化も、すぐに報告することで大きなトラブルを防げることがあります。
「これくらいは言わなくても大丈夫だろう」という油断が、後に大きな問題を引き起こすこともあるのです。

個人情報を守る意識が必要だから

介護職は多くの個人情報を扱います。名前、病歴、家族構成、経済状況など、一歩間違えれば重大な個人情報漏洩に繋がります。
たとえば、職場内での会話や移動中の書類管理など、日常の中にもリスクは潜んでいます。
利用者の情報は、外部はもちろん、家族や他職員に対しても共有の範囲に注意しなければなりません。
「このくらいなら大丈夫」という気のゆるみが、後で信頼を損なう原因になります。
常に機密性の高い情報を扱っているという自覚を持つことが重要です。

職場内の人間関係も大切にするべきだから

介護の現場は、チームで協力しながら利用者を支える仕事です。スタッフ同士の人間関係が悪いと、現場の雰囲気が悪くなり、利用者にも悪影響を及ぼします。
ちょっとした挨拶や声かけ、感謝の気持ちを伝えるなど、日常のコミュニケーションが信頼関係を築きます。
また、悩みやストレスがある場合も、我慢せずに上司や同僚に相談することが大切です。
働きやすい職場環境をつくることが、質の高い介護に直結するということを常に意識しましょう。

ヘルパーがやってはいけない事をしてしまうとどうなる?

ヘルパーが禁止行為を行ってしまうと、本人だけでなく利用者や事業所、介護業界全体に深刻な影響を与えることがあります。ここでは、想定されるリスクとその重要性について解説します。

利用者や家族との信頼を失う

介護サービスは、信頼の上に成り立つ仕事です。利用者や家族は、ヘルパーに生活の一部を任せているため、信頼を損ねると関係は一気に悪化します。
一度失われた信頼を取り戻すのは非常に難しく、利用者が介護サービスを拒否したり、事業所を変更する原因になることもあります。
また、悪い口コミや評判が広がることで、他の利用者にも影響を与え、事業所の運営にも悪影響を及ぼします。
信頼は目に見えない資産であり、それを壊すのは一瞬であることを常に意識して行動しましょう。

事業所や自身が行政処分を受ける可能性がある

ヘルパーの行動が法律や制度に違反した場合、事業所が行政処分を受ける可能性があります。例えば、指定取り消し、業務停止命令、指導監査などが該当します。
これにより、他の職員や利用者にも迷惑がかかり、最悪の場合は閉所に追い込まれることもあります。
また、本人も処分対象になることがあり、職を失うだけでなく、今後介護職として働けなくなるリスクもあります。
このように、一つの不適切な行動が大きな損害を引き起こす可能性があるのです。

損害賠償など法的トラブルにつながる

無断で医療行為を行ったり、金銭を使ったり、身体拘束をした場合、民事・刑事での責任を問われることがあります。
特に、認知症の利用者に対する虐待行為や個人情報漏洩などは、重大な法的トラブルに発展しやすいです。
裁判や損害賠償を請求されるだけでなく、ニュースやSNSで拡散されることで社会的信用も失う可能性があります。
ヘルパーとして働く以上、自分の行動が法律に基づいたものであるかどうかを常に意識して業務にあたることが重要です。

介護業界全体の信用を落とす

一人のヘルパーの不適切な行動が報道されると、介護業界全体への不信感に繋がってしまいます。
「やっぱり介護って怖い」「親を預けたくない」と思われるようになると、現場で真面目に働いている他の職員にまで悪影響が及びます。
こうした状況が続くと、介護離れや人手不足にもつながり、結果的にサービスの質が落ちてしまうのです。
ヘルパー一人ひとりが「業界の代表」という意識を持ち、行動に責任を持つことが求められます。

介護職のヘルパーがよくやりがちなNG行動とは?

介護職のヘルパーがよくやりがちなNG行動とは?ヘルパーとしての禁止行為ではないものの、つい無意識にやってしまいがちな「NG行動」も数多くあります。これらの行動は、利用者の信頼やケアの質を損なう原因となるため、日々の業務で注意が必要です。

「慣れ」でケアを雑にしてしまう

経験を重ねることで業務に慣れるのは大切ですが、「慣れ」が慢心や手抜きに変わってしまうと危険です。
たとえば、入浴介助で声かけを省略したり、移乗時の確認を怠ったりするなど、細かな配慮が欠けてしまうことがあります。
利用者は毎日違った体調や気分で生活しているため、「いつも通り」で済ませるのではなく、その都度の状況に応じた対応が必要です。
業務をルーティンとして処理するのではなく、一つ一つのケアに丁寧さと注意を持って取り組む姿勢が求められます。

家族や利用者と過剰に親しくなりすぎる

信頼関係を築くのは大切ですが、距離が近くなりすぎることでトラブルが発生することもあります。
たとえば、プライベートな話を深くしすぎたり、個人的な連絡先を交換する、私的な買い物を頼まれるなどがその例です。
こうした行動は、境界線があいまいになる原因となり、後に金銭トラブルや感情的なもつれにつながることもあります。
介護職には、「プロとしての適切な距離感」が求められます。親しみやすさと節度ある態度の両立がポイントです。

業務記録を適当に書いてしまう

介護記録は、ケアの内容や利用者の状態をチームで共有するための重要な資料です。しかし、「時間がない」「面倒だから」と適当に書くことはNGです。
不正確な記録は、後のトラブル時に原因が特定できなかったり、他職員が正しいケアを行えなくなる原因となります。
また、監査や事故報告などで記録の提出を求められた際、記録不備が大きな問題として扱われることもあります。
記録は「証拠」であり、「連携のカギ」でもあるという認識を持ち、正確かつ簡潔に記載することが大切です。

忙しさを理由に説明を省いてしまう

業務が立て込んでいると、つい「急いでいるので説明はあとで」となってしまうことがありますが、これは利用者に不安や不信感を与える原因になります。
たとえば、「これから入浴します」とひと言伝えるだけでも、利用者は安心してサービスを受けられます。
説明がないと、「何をされるのか分からない」「自分の意志が無視された」と感じることがあるため、こまめな声かけと説明を欠かさない姿勢が重要です。
どんなに忙しくても、「丁寧な説明」は信頼と安心の基本であることを忘れずに行動しましょう。

ヘルパーがやってはいけない事を防ぐためのチェックリスト

日々の介護業務の中で、禁止行為を避けるためには事前の準備と振り返り、そしてチームでの確認が重要です。以下のチェックリストを活用することで、ミスやトラブルを未然に防ぐことができます。

業務前にケアプランを確認する

業務を始める前に、必ずケアプランや当日の指示書を確認しましょう。利用者によって支援内容や注意点が異なるため、確認を怠ると誤った対応をしてしまう可能性があります。
特に、服薬の有無、食事制限、リハビリの有無などは重要です。
「昨日と同じだから大丈夫」という思い込みは危険です。一日の始まりに必ず情報を確認する習慣をつけましょう。
確認後、不明点があればその場で上司や同僚に確認することが大切です。

不安なことはすぐに上司に相談する

介護の現場では、判断に迷うことや想定外の場面に遭遇することも少なくありません。「とりあえず自分で何とかしよう」と思わず、すぐに相談することが基本です。
無理に対応してしまうことで、法律違反や利用者への負担を増やしてしまう恐れがあります。
特に新人ヘルパーや、経験の浅いスタッフは「相談は悪いこと」と思いがちですが、相談すること自体が責任感のある行動です。
報告・連絡・相談を積極的に行うことで、ミスを防ぎ、信頼される職員を目指しましょう。

業務終了後に振り返りを行う

一日の業務が終わったら、その日の対応を振り返ることが大切です。「うまくいったこと」「困ったこと」「改善点」を意識的に考えることで、次回に活かすことができます。
たとえば、移乗介助のタイミングで不安を感じた場合は、他のスタッフの対応を見て学ぶ機会にもなります。
また、振り返りを職場内で共有することで、チーム全体の質の向上にもつながります。
学び続ける姿勢が、安全で信頼される介護を築く基礎になります。

記録を正確かつ丁寧に書く

その日のケア内容や利用者の様子を記録に残すことは、次の職員への大事な引き継ぎにもなります。「時間がないから」「とりあえず書いた」で済ませてはいけません。
特に異変やトラブルがあった際は、いつ・どこで・誰が・何をしたかを具体的に書く必要があります。
記録は、利用者の生活履歴にもなる重要な情報資源です。
自分の担当以外の記録も見る習慣を持つことで、より広い視点でケアを行うことができます。丁寧な記録は、質の高いケアと職場の信頼を築く要です。

介護職としての信頼関係の重要性

介護の現場において最も大切なのは、利用者との信頼関係です。どんなに技術や知識があっても、信頼がなければ質の高いケアは実現できません。ここでは、信頼関係がなぜ重要か、そしてそれがヘルパーの行動にどう影響するかを解説します。

信頼関係がないと正確なケアができないから

利用者がヘルパーに心を開いていない状態では、自分の体調や困りごとを素直に話すことができません。これは、適切なケアを行ううえで大きな障害となります。
たとえば、痛みを我慢してしまったり、入浴や排泄の介助を拒否してしまうと、健康状態の悪化や事故につながる可能性があります。
日々の何気ない会話や、丁寧な態度、約束を守ることなどの積み重ねが信頼関係を築きます。
正しいケアを行うためには、まず信頼される人間になることが必要不可欠です。

小さなミスも大きな問題に発展しやすいから

信頼されていない状態では、たとえ些細なミスでも「わざとやったのでは?」「雑な扱いをされた」と思われてしまう可能性があります。
逆に、信頼関係がある場合は、「間違いがあってもすぐに言ってくれる」「何かあっても相談できる」と思ってもらえるため、トラブルが大きくなる前に解決することができます。
信頼は、ミスを防ぐクッションのような役割も果たしてくれます。
だからこそ、日ごろから丁寧な対応と誠実な姿勢を大切にすることが重要です。

利用者が心を開かなくなってしまうから

ヘルパーが禁止行為や不適切な言動をした場合、利用者は「また同じことをされるのでは」と不安や恐怖を感じ、心を閉ざしてしまうことがあります。
一度こうした状態になると、介護拒否や引きこもり、精神的な不安定さを招くことがあり、介護の質が大きく低下します。
信頼を取り戻すには長い時間がかかり、場合によっては二度と心を開いてもらえないこともあります。
小さな配慮と優しさが、利用者の心の扉を開くカギになります。

信頼されることで業務がスムーズになるから

信頼関係があると、利用者はヘルパーの指示や説明に素直に耳を傾け、安心してケアを受けてくれます。
その結果、スムーズに業務を進めることができ、トラブルも減少します。
また、利用者がヘルパーに心を許すことで、家族との関係性も良好になり、事業所全体の評価も向上します。
信頼されることは、ヘルパー自身にとっても働きやすさややりがいに直結するのです。

新人ヘルパーが特に気をつけるべきポイントとやってはいけない事

新人ヘルパーが特に気をつけるべきポイントとやってはいけない事新人ヘルパーは経験が浅く、判断に迷う場面も多いものです。そのため、基本を徹底し、「やってはいけないこと」を明確に理解することが重要です。この章では、新人が特に注意すべきポイントを紹介します。

わからないことを自己判断で対応しない

介護現場では、日々さまざまな状況が発生しますが、分からないことを自己判断で行うのは非常に危険です。
たとえば、「薬を飲ませていいのか?」「食事の量はこれでよいのか?」といった判断を一人で下すと、重大なミスにつながる可能性があります。
わからないときには、必ず先輩や上司に相談するようにしましょう。
相談することは恥ずかしいことではなく、利用者を守るために必要なプロとしての対応です。

利用者の話をしっかり聞く姿勢を持つ

新人のうちは、業務を覚えることで精一杯になってしまいがちですが、利用者の話を丁寧に聞くことも大切な仕事です。
話の内容から、体調や気分の変化に気づくことができる場合もあります。
また、聞く姿勢を持つことで、利用者は「自分のことを理解してくれている」と安心感を持ち、信頼関係の構築にもつながります。
「聞くこと」は介護の基本であり、利用者に寄り添う第一歩です。

指導を素直に受け入れる姿勢を持つ

指導を受けるとき、つい反発したくなることもあるかもしれません。しかし、素直に受け止めて改善しようとする姿勢が大切です。
先輩ヘルパーのアドバイスは、経験からくる実践的な知識が詰まっています。
一度で覚えきれなくても、繰り返し学び、実践することで成長していくことができます。
素直な姿勢は、周囲からの信頼と応援を得るためのカギにもなります。

メモをとって業務を確実に覚える

新人時代は、情報が多くて混乱しがちです。そのため、教わったことや気づきをこまめにメモに残す習慣をつけましょう。
現場での対応や利用者の特徴、注意すべき点などを記録しておくことで、次に同じ場面に出会ったときに迷わず対応できます。
また、メモを見返すことで、自分の成長や変化も実感できます。
「書くこと」は学びを定着させる最も有効な方法の一つです。

よくある質問

介護現場では、「これはやっても大丈夫?」「この行為は問題ないの?」といった迷いや疑問が多くあります。ここでは、現場でよく聞かれる質問に対して、ルールに基づいた適切な対応方法をわかりやすく解説します。

利用者の金銭を預かってもいいのでしょうか?

原則として、ヘルパーが利用者の金銭を預かることはできません。例外的に、事業所の規定や家族の同意がある場合に限り、一時的に管理を代行することがありますが、その際も厳重な記録と報告が必要です。
金銭に関わるトラブルは非常にデリケートで、一度疑われると信頼の回復は難しくなります。
万が一、金銭の管理が必要になった場合は、必ず上司の指示を仰ぎ、複数人のチェック体制のもとで行うことが重要です。
「預かるのは簡単でも、責任を持つのは大変」という意識を持ちましょう。

医療行為との境界はどこですか?

介護職が行って良い範囲と、医療行為の境界は明確に決められています。たとえば、軟膏の塗布、湿布の貼付、座薬の挿入などは「医行為」に該当するため、無資格での対応は基本的にNGです。
一方で、爪切り(異常がない場合)、点眼薬の補助、体位変換、食事介助などは認められた介護行為です。
迷ったときは、「厚生労働省のガイドライン」や所属施設のルールに従って確認するようにしましょう。
「良かれと思ってやった」が違法になるリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

利用者に叱られた時はどう対応すればいいですか?

利用者から強い口調で叱られたり、不満をぶつけられることもあるかもしれません。しかし、感情的に反論することは絶対に避けるべきです。
まずは冷静に話を聞き、相手の気持ちを受け止める姿勢を見せましょう。
その上で、「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」と丁寧に謝罪し、具体的な改善策を伝えることが大切です。
信頼関係を損なわず、状況を収めるための対応力が求められます。

ヘルパーがミスをしたら報告は必要ですか?

はい、どんな小さなミスでも必ず報告が必要です。隠そうとしたり、誤魔化すことで問題が大きくなり、さらに信頼を失うことになります。
「食事の提供時間が遅れた」「移乗時に軽く手をぶつけてしまった」など、些細なことでも報告することで、正しい対応を取ることができます。
また、ミスを共有することで、他の職員も注意するようになり、職場全体のミス防止に繋がります。
ミスを恐れるより、誠実な対応が信頼を築く第一歩だということを忘れないようにしましょう。

ヘルパーとして働くには資格が絶対に必要ですか?

はい。基本的には介護職員初任者研修以上の資格が必要です。未経験でも取得しやすく、多くの自治体や事業所が受講を支援しています。求人情報では「無資格可」と記載されていても、実際の訪問介護業務には制限があるため、早めに取得することが推奨されます。

「介護職員初任者研修」と「実務者研修」の資格の違いは何ですか?

訪問介護ヘルパーとして働くためには、一定の資格を取得する必要があります。中でも、最も基本となるのが「介護職員初任者研修」と「実務者研修」です。これらの資格は、ヘルパーとして業務を行う上での基礎的な知識と技術を習得するためのもので、介護の入り口となる重要な研修です。
「初任者研修」は、旧ホームヘルパー2級に相当する資格で、介護の基礎を学ぶ最初のステップです。介護現場で求められる基本的な知識や技術、倫理的な考え方、そして利用者との接し方などを中心に学びます。これを修了することで、訪問介護の現場で「身体介護」や「生活援助」などのサービス提供が可能になります。
一方、「実務者研修」は、より専門的な知識と実践力を養う研修で、介護福祉士の国家試験を受けるための前提条件でもあります。この研修では、より複雑なケースへの対応方法や、医療的ケアの基礎、記録や報告の方法など、より深い内容が含まれています。たとえば、たんの吸引や経管栄養といった一部の医療的ケアについても、実務者研修を経たうえで特定の研修を修了すれば対応可能になります。
このように、初任者研修は介護の出発点、実務者研修は中級レベル以上のスキル習得の段階と考えると理解しやすいでしょう。どちらの研修も、現場での信頼につながり、よりよい支援を行うために欠かせない要素です。

まとめ|ヘルパーがやってはいけない事と介護職として気をつけるべきポイント

ヘルパーとして働く上で、やってはいけないことや日々気をつけるべきポイントを理解し、常に利用者の立場に立った行動を心がけることが最も重要です。ここでは、記事全体の内容を振り返りながら、介護職として大切にしたい心構えを再確認します。

利用者の安全と尊厳を第一に考える

介護の基本は、利用者の命と人権を守ることです。身体拘束や暴言など、尊厳を傷つける行為は絶対に避けなければなりません。
また、ケアを行う上では、利用者の体調や希望に配慮しながら、安全かつ安心できる環境を整える必要があります。
小さな気配りが、大きな信頼につながることを忘れずに行動しましょう。
常に「その人らしさ」を尊重する姿勢を大切にしてください。

ルールやマナーを守ることが信頼につながる

法律や施設のルール、介護職としてのマナーを守ることは、利用者・家族・同僚からの信頼を築く基本です。
「少しくらいなら大丈夫」という気の緩みが、大きな問題を引き起こすこともあります。
特に、医療行為の範囲や金銭管理、記録の記載などは明確なルールがあります。
正しい知識と意識を持ち、常に自分の行動を振り返ることが求められます。

チームでの連携が重要

介護は一人で行う仕事ではありません。報告・連絡・相談をしっかりと行い、チーム全体で支え合うことが高品質なサービスにつながります。
一人で抱え込まず、問題や疑問は必ず共有するようにしましょう。
また、同僚への配慮や協力も忘れず、職場全体の雰囲気を良くする努力も大切です。
連携の質が、ケアの質を大きく左右するという意識を持って行動しましょう。

日々の学びと振り返りが成長につながる

介護の現場は常に変化しています。その中で、自ら学び、振り返る姿勢を持つことが成長の鍵となります。
毎日の業務の中で「うまくいったこと」「改善が必要だったこと」を記録し、次に活かすことがプロとしての習慣です。
また、セミナーや研修に積極的に参加することで、最新の知識や技術を習得することも可能です。
学び続ける姿勢が、利用者にとっても安心できるケアにつながるのです。

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メディア名 ミチビーク
運営会社 株式会社Method innovation
会社ホームページ https://www.method-innovation.co.jp/
所在地
〒550-0013
大阪府大阪市西区新町3丁目6番11号 BADGE長堀BLD. 2階
代表取締役 清水 太一
設立 2016年11月1日
事業内容 集患支援事業
メディア運営事業
広告代理店事業
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