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検体検査は、人の体から排出される尿や、体に流れている血液や髄液、体を構成している細胞などの検体で、体に異常がないかを調べるものです。
一方の生体検査では、超音波検査や画像診断により物理的に臓器などの健康状態を把握します。

臨床検査技師の就業者数は、総務省統計局の「国勢調査時系列データ就業者の職業」「令和2年国税調査抽出詳細集計」によると2020年の時点で8.3万人で、2000年以降の就業者人数は年々増加しています。

女性の就業者数は73.2％、男性は26.8％で平均年齢は女性が43.1歳、男性が45.2歳です。

また、男性の就業者数はあまり大きな変動がありませんが、女性の就業者数は1985年から年々増加しており、心電図やエコー検査などの衣服を脱ぐ必要のある検査を担当するため、女性の需要が高まっているのが臨床検査技師の現状です。

参照：
国勢調査時系列データ就業者の職業
令和2年国税調査抽出詳細集計

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、臨床検査技師の平均年収は約508万円で、日本人の平均年収は約461万円のため、40万円程度平均年収が高くなっています。

男女別で比較すると男性が560.99万円、女性が481.64万と女性が活躍する職場でありながら、男性の方が高い平均年収です。男女の年収の差は約80万円と大きく、年収の差の主な理由としてライフスタイルの変化や夜勤に対応できるかなどが挙げられます。

女性は妊娠・出産・子育てといったライフスタイルの変化が大きく、キャリアの形成が難しく、夜勤やオンコールに対応できないため、基本給が同じでも夜勤手当が上乗せされない分、年収も低くなります。

年齢別で見てみると、20代の年収は少ない傾向ですが、20代の内に画像診断やエコーのスキルなどを磨いておくと30代に入ってから給与の増加が見込めるでしょう。

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」では、全体の平均月収が約34万円でボーナスが92万円、男女別で比較すると男性が平均月収38.7万円で女性が32.65万円です。

臨床検査技師は技術力が大切であり、継続したキャリア形成が必要であるため、ライフスタイルの変化が大きい女性は男性と比較すると平均月収が低くなる傾向です。

しかし、夜勤などが多い看護師の平均月収は約35万円のため、夜勤や当直回数の少ない臨床検査技師で平均34万円の月収は、決して低い数字ではありません。

参照：令和4年賃金構造基本統計調査

臨床検査技師が行う検体検査業務は、検査機器の導入に伴う機械化によって、作業量が少なくなってきているのが現状ですが、病気の予防や健康思考は年々高まっているため、専門性の高い知識が必要な臨床検査技師の需要は今後も継続して必要な存在です。

健康維持のため、生活習慣病などの検査を受ける方が増えており、それに伴い検査項目も増加しています。
また、病院やクリニックでの勤務が多い臨床検査技師ですが、近年では活躍の場が広がっており、検査を専門的に行う臨床検査センターや医療機器メーカー、製薬会社などで勤務できるため、キャリアアップもできる将来性の高い職種です。

定輸血検査技師や細胞検査士など専門性が高い資格を有している方は、今後も重宝される傾向にあるため、積極的に高度な資格取得にチャレンジしてみましょう。

給料に関しては臨床検査技師に限らず多くの方が転職の理由として挙げる点ではないでしょうか。

臨床検査技師の月収は、約34万円で医療や介護職の中では夜勤や当直なども少なく高い給与水準ではありますが、20代の間はスキルが未熟なこともあり、給与の伸びが少ないため不満を感じる場合があります。

また働く場所によっても収入には差があり、小さなクリニックの場合は昇給の上げ幅が小さいなど労力と給与が見合っていないと感じ転職を希望する方がいます。

人間関係にトラブルが起きると心が疲弊し、現在の職場で頑張ろうと言う気力が落ち、転職しようと決意する理由になります。

特に臨床検査技師は閉鎖的な環境で作業することが多く、長時間拘束されるケースもあるため、人間関係も濃くなり合わない人がいると仕事が辛く感じるでしょう。

臨床検査技師は夜勤や当直は少ない職種ですが、大きな病院になると夜勤が発生したり、休日であってもオンコールに対応するために自宅で待機する必要があったりとプライベートな時間をリラックスして過ごすことが難しいと感じる方もいます。

また「残業が多い」「1人でこなす業務量が多い」「持ち帰りの仕事がある」などの勤務環境が辛く、転職を考えるケースもあります。

臨床検査技師は色々な作業を同時に行う必要があるため、忙しさを感じ疲弊してしまい、ゆとりある環境で働きたいと転職を考える方もいらっしゃいます。

検査を行うほか、医師や看護師といった医療従事者とのコミュニケーションも必要なため、責任感が強くしっかりと仕事をやり遂げたいと感じている方は大きなストレスを感じるケースもあるでしょう。

認定輸血検査技師は、輸血に関して正しい知識と高度なスキルを持った臨床検査技師を育成することを目的とした認定の資格です。

試験は筆記試験と実技試験で構成され、試験に合格すると認定証が発行され、5年ごとの更新が必要です。
一般社団法人日本輸血・細胞治療学会によると2021年度に実施された認定輸血検査技師の試験では受験者数は225名で合格者は92名、合格率は40.9%です。

誰でも簡単に受かるというわけでないため、しっかりとした勉強が必要ですが、医療現場において重要性が高い資格です。

参照： 一般社団法人日本輸血・細胞治療学会

日本臨床細胞学会・日本臨床検査医学会が主催する認定資格が細胞検査士です。

数多くある正常な細胞の中から異常のある細胞を発見することが仕事内容となり、がん検診においてなくてはならない存在です。

細胞検査士は合格率が全国平均で毎年約25%と難しい資格で、資格取得後も5年ごとの更新が必要になり、学術集会などに参加し、所定の単位取得が義務付けられているなど、常に最新の知識が必要な仕事です。

臨床検査技師の上級資格にあたるのが、一級臨床検査士・二級臨床検査士です。

受験は年に1回1科目のみで、試験は実技試験と筆記試験があり、8つの分野に細分化されており、それぞれの試験結果は「優・良・可・不可」に分けられ、1つでも負荷があると不合格です。

二級臨床検査士の2022年の合格率

一級臨床検査士の2022年の合格者

一級臨床検査士は難易度がかなり高く、指導立場にある中堅技師が受験する資格になり、技師長クラスや博士号保有クラスなどが取得しているため、まずは二級臨床検査士から受験しましょう。

参照：公益社団法人日本臨床検査同学院

夜間や休日といった緊急時に適切な臨床検査を行えることを証明するのが、緊急臨床検査士の資格です。
受験資格は臨床検査技師の資格を持ち、願書提出時に所属長等の証明書を提出できる方です。

2022年の合格率

緊急臨床検査士は、認定輸血検査技師や細胞検査士、一級臨床検査士・二級臨床検査士と比べると合格率は比較的高いです。

参照：公益社団法人日本臨床検査同学院

臨床検査技師として働く中で、需要が高いのは病院やクリニックで、仕事内容は患者の検体検査や生体検査を行い、健康状態を確認します。

検査室で働くことが多いですが、規模の大きな病院になればなるほど医師や看護師、患者など様々な方と関わることが増えるため、検査の技術力だけでなくコミュニケーション能力も必要不可欠です。

小さなクリニックで働く場合は、臨床検査技師が一人だけという場合もあるためマルチタスクをこなす器用さが必要になります。

検査センターでは、検査設備の整っていないクリニックや病院から検体として送られてきたものの検査を行います。

病院やクリニックでは扱わない複雑な検査機器を使用し、特殊な検査を行うケースもあるため、細胞検査士の資格があると有利に転職活動が進みます。

また、患者と関わることはないため、黙々と検査作業に没頭することが好きな方には向いている職場です。

自治体にある施設の衛生確認や、食中毒が発生した場合の細菌検査などを行うのが主な仕事です。

病院やクリニックでは夜勤などがありますが、保健所では夜勤などはなく残業も少ないため働きやすい場所ですが、国家公務員の資格が必要となるため求人倍率が高いです。

また、地域の方との交流も必要なため、コミュニケーション能力は必須です。

研究室は大学の研究室や研究所で働き、研究や更新の指導が主な仕事内容です。

自分の専門分野をとことん追求し、教員として学生の指導も行えるため、研究者として働きたいという方にはおすすめの転職先です。

製薬会社での臨床検査技師の仕事の役割は、医薬品の治験が適切に行われているかどうかをチェックすることです。

病院や検査センターとの仕事とは違い、治験の企画やチェック、自社の医薬品開発、データ回収など知識や専門性が求められる職場です。

スキルに自信があり、更にスキルを上げたいと考えている方に向いています。

臨床開発モニターは、製薬会社の臨床開発をサポートする役割があります。
3年程度病院やクリニックでの勤務経験があれば、臨床開発モニターに応募可能で、製薬メーカーに直接勤務や開発業務支援機関に所属し、出向先に勤務します。

仕事内容は治験に関する契約の準備や、治験が適切に行われているかを確認したり、治験者を探したりと多岐に渡るため、要領よく仕事をこなす器用さも必要です。

新薬の開発や研究で行われる治験をサポートするのが治験コーディネーターです。

治験の計画書の作成や医療従事者と患者のスケジュール調整、治験者への説明などが主な仕事内容で、治験をスムーズに進めるためのサポートを行います。
また、夜勤もないため私生活とのオン・オフがつけやすいのも魅力です。

治験コーディネーターには特別な資格は必要ないですが、医療や臨床の知識があれば、治験者にも適切な説明が行えるため、臨床検査技師としての経験が活かせます。

医療機器の営業では即戦力が求められるため、臨床経験や専門的な知識は大きなメリットとなり、採用が有利に働きます。

医療現場に務めていた経験があると、実際の現場の声も耳にしたことがあるため、医療従事者の悩みや不満に寄り添った機器の提案ができたりと、今までの経験が役立ちます。

また、病院内のパワーバランスもある程度分かっているため、どの部署にどの商品を売れば良いか判断しやすく、営業をスムーズに行えるでしょう。

医療事務は病院やクリニックなどの医療機関で診療報酬に関する事務を行ったり受付作業をしたりと、患者にとって身近な存在です。

医療事務に必要な資格はないため、求人倍率も高くなりやすいので、医療関係の資格があると、転職が有利に進みます。

また、臨床検査技師として日頃から患者とコミュニケーションを取る必要があるため、患者対応が上手いとアピールすることもできます。

自分で転職活動をスタートすると、膨大な求人情報の中から、希望の条件に合う求人を探す必要があり、応募するまでに時間がかかるので転職活動が長引きくことが多々あります。

しかし、転職サイトに登録すれば、担当の専門エージェントが多くの求人の中からピッタリの転職先を探し出してくれます。
転職サイトへの登録は数分で終わり、希望条件を入力すればエージェントとからの連絡を待つだけなので、複数の求人サイトを見比べるストレスも軽減され、スムーズに転職活動が進むでしょう。

また、求人情報だけでなく、求人を募集している病院やクリニックの雰囲気などの文字だけでは分からない情報を補足してくれるため、自分に合った転職先を見つけられます。

転職サイトには、情報サイトには掲載されていない非公開求人や人材派遣会社のみが扱っている独占求人を取り扱っているため、自分だけでは探し出せない転職先が見つかります。

また、一般公開されていないため倍率が少ないのも特徴です。

転職活動を支援してくれる転職サイトでは、普段内定先では言いにくい年収交渉などを代行するサービスがあります。

内定先と交渉をすると「内定を取り消されたりされたらどうしよう」と質問や交渉ができませんが、エージェントが代わりに行ってくれるため、より良い条件で転職が成功するケースがあります。

まずは、求人チェックをこまめに行いましょう。

求人サイトによって求人情報が更新されるタイミングが違い、一度掲載が終了された求人でも、再度掲載されるケースもあるので、追加募集などは見逃さないように気を付けてください。

数ある転職サイトの中にはスカウト機能を有するものがあり、自分が登録した経歴を確認した企業側がスカウトしてくれる場合があります。

そのため、経歴等の入力は確実に行い、しっかりアピールしておくと想定外の転職先からも声がかかるかもしれません。

スカウトしてくれる企業が複数あると、自分がどこに需要があるのかといった判断基準にもなるため、スカウト機能の活用はおすすめです。

臨床検査技師として転職する場合、多くの病院やクリニックの求人はエコーができる技師の募集をしています。

エコー検査は「腹部エコー」「心エコー」「甲状腺エコー」「頸動脈エコー」などの種類があり、臓器に異常がないか、高周波を使って画像検査する方法です。
病院やクリニックに勤務したい場合は、求人サイトの検索欄に「エコー未経験」と入力すると、「エコー経験不問」や「エコー未経験でも学べるチャンスあり」など未経験でも応募可能な求人が見つかります。

また、製薬会社や治験関連の職種に転職する場合は、エコーの技術が不要なケースも多いため、募集要項はしっかりチェックしましょう。

エコー未経験で病院やクリニックに応募する場合は、研修体勢が整っているか確認してください。

資格取得やスキルアップをサポートしてくれる病院やクリニックもあり、はじめはエコー検査の補助から行い、徐々に経験を積んでいきましょう。

また、エコー技術に特化した超音波検査士の資格を取得すると信頼度も高まるため、資格取得を後押ししてくれる病院やクリニックを選ぶと、スキルアップできます。