登録販売者は「やめとけ」と言われる
理由、知っておきたい現場の声を解説！

検索すると、「登録販売者　やめとけ」「後悔した」などのネガティブな口コミが目立ちます。特にSNSや掲示板などでは、現場での不満や大変さを吐き出す場になっているため、悪い印象ばかりが目に入ってしまいがちです。
もちろん、そうした意見にも一理ありますが、あくまで一部の声であり、すべてを鵜呑みにするのは危険です。

「やめとけ」と言われる理由の多くは、職場環境や働き方に起因しています。たとえば、大型チェーンのドラッグストアでは業務が多くハードですが、調剤薬局併設型や個人経営の薬店では比較的落ち着いた働き方ができることもあります。
医薬品の販売や相談業務に関わる時間は、1日の業務の中でもほんの一部であり、「せっかく勉強して資格を取ったのに、それを活かす場がない」と感じてしまうのも無理はありません。
特に大手ドラッグストアなどでは、医薬品よりも日用品の売上比率が高い店舗も多く、登録販売者が在籍していても医薬品に触れる機会が限られている場合があります。こうした現実が、仕事に対する理想とのギャップを生み、「やめとけ」と言われる一因となっています。
自分がどんな職場を選ぶかで、働きやすさは大きく変わってくるでしょう。

登録販売者は医薬品を取り扱う専門職でありながら、給与は思ったほど高くありません。特にドラッグストアのパート・アルバイトでは、資格手当がついても月収に大きな差が出ないこともあります。
正社員でも年収300万円台が一般的で、期待していたよりも収入が少ないと感じる人も少なくありません。

登録販売者の仕事には責任が伴います。医薬品の使用に関しては、間違った案内をしてしまうと健康被害につながる可能性もあり、場合によっては法的責任を問われるケースもあるため、常に正確な知識と冷静な判断が求められます。
しかし、その責任の重さに見合った報酬が得られているかというと、現実は厳しい場合が多いです。初任給は一般的な販売職と大差がなく、資格手当も月額で数千円から1万円程度と、期待していたほど高くないと感じる人もいます。
業務の多くが資格に関係のない一般的な接客・販売であることを考えると、「専門性を活かして働きたい」と考えていた人にとっては、給与・待遇のギャップに強い不満を感じることも少なくありません。

登録販売者は薬を売るだけではなく、日用品や食品の品出し、清掃、レジ業務などもこなさなければなりません。大型店舗では荷物の搬入や早朝・深夜のシフトもあり、意外と体力を使う仕事です。
「座ってじっくり接客できると思っていたのに、実際は肉体労働が多かった」という声もあります。

登録販売者は、薬機法や成分知識など難易度の高い試験に合格しなければなりませんが、現場ではその専門性があまり評価されないこともあります。
「勉強した知識を十分に活かせない」「ただの店員扱いされる」と感じてモチベーションを失う人もいます。

「やりがいはあるが給料が見合わない」という声が多い

多くの登録販売者が「仕事にやりがいはある」と答える一方で、「責任のわりに給料が低い」と感じているようです。
薬に関する知識を使って接客できることに喜びを感じつつも、専門職としての待遇が見合っていないと不満を持つ人は少なくありません。
「自分の知識が役に立つのはうれしいけど、時給100円しか上がらない」といった声もよく見られます。

「資格は取りやすいが続けるのが大変」という声もある

登録販売者の資格試験は、比較的独学でも合格できる内容です。そのため、資格を取ること自体はそこまで難しくないという人が多いです。
しかし、実際の仕事は覚えることが多く、体力的・精神的にきついと感じる人が多いため、「試験よりも働き続ける方がよっぽど大変」という声が多く聞かれます。

登録販売者のスキルが活かせる転職先とは

登録販売者のスキルは、「医薬品の知識」だけではありません。接客力、在庫管理、売場づくり、クレーム対応、コミュニケーション能力など、多くの業種で活かせる実務スキルが備わっています。
以下のような転職先は、登録販売者としての経験を強みにできる代表的な選択肢です。

調剤薬局・医療機関の受付や事務職

薬剤や患者とのやりとりの経験が活かせます。

製薬会社・医療機器メーカーの営業職

医薬品知識と接客経験が活用される分野です。

介護・福祉施設スタッフ

健康管理や服薬の知識が評価されます。

健康食品や化粧品のカウンセリング販売職

お客様の悩みに寄り添いながら提案する力が求められます。

ドラッグストア本部のSVや教育担当

店舗経験を活かしてマネジメントに進む道もあります。

このように、登録販売者の資格は業界を問わず“健康”や“接客”の軸で応用が利くスキルとなり、転職においても武器になります。

全国どこでも働ける柔軟性がある

登録販売者の資格は、全国共通で有効です。これはつまり、転居や結婚、家庭の事情などがあっても、全国どこでも就職先を見つけやすいということを意味します。ドラッグストアや薬局はもちろん、コンビニ、スーパー、家電量販店など、医薬品を取り扱う店舗の数は年々増加傾向にあり、需要は高まっています。
また、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、さまざまな雇用形態が選べるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現できる柔軟性も魅力のひとつです。
育児や介護と両立しながら働きたい方、ブランクのある方でも、地域に根ざした働き方ができる点は、多くの登録販売者が長く現場で働き続けている理由のひとつです。

登録販売者は、単なるレジ打ちではなく、お客様としっかり会話をしながら健康や薬についてアドバイスをする仕事です。
人と接するのが好きな人、誰かの役に立ちたいと思える人にとっては、やりがいのある職場になります。
「ありがとう」「助かりました」と直接感謝される機会も多く、それがモチベーションにつながるという人もいます。

誰かの役に立ちたいという気持ちがある人が多い

「困っている人を助けたい」「健康の悩みを一緒に解決したい」といった思いがある人にとって、登録販売者の仕事は非常にやりがいを感じられる仕事です。
医療行為はできませんが、正しい知識でアドバイスをすることで、お客様の不安を軽減することができます。
その実感が、続ける力になっているという声も多く聞かれます。

責任感をもってコツコツ働ける人が多い

登録販売者の仕事には、商品管理、薬の説明、法律の遵守など、細かく丁寧な作業が求められます。
責任感を持って正確に仕事を進められる人、ルールを守って誠実に働ける人が長く活躍しています。
「地道な努力ができる」「ルーティンワークが得意」という人にも向いている職種です。

登録販売者は、資格を取得する段階だけでなく、働きながらも継続して医薬品や法律に関する知識を学び続ける必要があります。
新商品や制度改正があれば知識を更新しなければならないため、「勉強が嫌い」という人にはやや負担になるかもしれません。
逆に、知識を吸収するのが好きな人、学ぶことに抵抗がない人には向いている仕事です。

接客が好きな人

登録販売者の大きな役割は、お客様に薬や健康商品について正しいアドバイスをすることです。人と会話をする機会が多いため、接客が苦手だとストレスを感じる場面もあります。
一方で、「人と話すのが好き」「人に感謝されるのがうれしい」と感じる人には、やりがいのある職種になります。
自然な笑顔で丁寧に接客できる人は、お客様からの信頼も得やすく、仕事の満足度も高まりやすいです。

将来は薬剤師を目指すステップにしたい人

登録販売者の資格は、医薬品販売に関わる入門的な資格でもあります。今は薬剤師になれなくても、将来的に薬学部への進学を考えている人や、医療系の道へ進みたい人にとっては、現場経験を積む良いステップになります。
実際に働きながら薬の知識や接客スキルを身につけることで、将来のキャリアに役立つ経験が得られます。

薬剤師との違いと業務範囲の限界

登録販売者と混同されやすい職種に「薬剤師」がありますが、両者の違いは明確です。登録販売者はあくまでも第2類・第3類の一般用医薬品のみを取り扱える資格であり、第1類医薬品（要指導医薬品など）の販売はできません。これらは必ず薬剤師が対応する必要があります。
また、調剤業務や処方箋に基づく薬の提供、服薬指導といった業務は、登録販売者の範囲外です。そのため、薬局や調剤薬局では補助的な業務が中心となるケースもあります。
薬剤師と比べると、資格取得のハードルは低く、取得期間も短いため、「薬の知識を活かした仕事をしたい」という方にとっては比較的手軽にスタートできる資格である反面、業務範囲やキャリアの選択肢に限界があることも理解しておく必要があります。

登録販売者の需要が増加している背景には、医薬品を扱う小売店舗の数が増えていることが大きく関係しています。以前は医薬品といえば薬局やドラッグストアの専売という印象が強かったですが、現在ではコンビニ、スーパー、ホームセンター、家電量販店などでも「医薬品販売コーナー」が設けられるようになりました。
これは、セルフメディケーション（自分で自分の健康を守る）を促進する社会の流れや、販売規制の緩和による影響です。こうした政策の後押しを受けて、「薬剤師が常駐していなくても、登録販売者がいれば販売できる」という仕組みが広がっています。
つまり、登録販売者の配置が可能な場所が増えていることは、雇用の場が拡大していることに直結しており、資格を持っていれば働けるチャンスが多いということになります。

今後の業界動向と登録販売者の立ち位置

今後の医薬品販売業界では、ますます “かかりつけ薬局”や“セルフケア支援”といった地域密着型のサービスが求められるようになります。医療費抑制や高齢化社会の進展にともなって、「医師や薬剤師に頼る前に、まず相談できる登録販売者」という役割の重要性が増してくると見られています。
ただし、これに対応するためには、登録販売者自身が常に知識をアップデートし、相談対応力や信頼性を高めていくことが不可欠です。単なる「販売員」ではなく、「地域の健康支援者」としての立ち位置を確立できるかどうかが、これからのキャリアの鍵となるでしょう。
また、近年では登録販売者向けのオンライン研修や、スキルアップ講座、eラーニングなども充実してきており、働きながら成長できる環境も整いつつあります。